三浦大輔さん、獲りましたね。岸田國士賞。次回公演のチケットさっさと予約せにゃかな。
長塚さん(実はそんなにタレ目じゃないかも知んない)はまたオアヅケですか・・・残念。 ----- 二日も前の話になってしまいましたが、久し振りに世田谷パブリックシアターに赴き、「クラウディアからの手紙」を観て来ました。 以前「時には父のない子のように」のチケットが取れなかったので、佐々木 蔵之介リベンジ、てことで。 三階の四列目という、一番遠くの一番上から舞台を見下ろす席でしたが、そんなには見にくくなかった。やっぱり世田パブは好きです。 しかし今回も何処ぞのおばちゃんズに気分を害され・・・神経質な自分もいかんが、他人と空間を共有するってことを分かってない人間は大っ嫌いだ。 何やかんや言われてるが、劇場内においては若者の方がマナーはいい。絶対。 第二次世界大戦中、朝鮮に移り住んだ蜂谷弥三郎(佐々木 蔵之介)は、そこで終戦を迎えた。 まさに日本に引き上げようという時、彼はソ連軍に捕まり、妻子と引き離されてしまう。 身に覚えのない弥三郎は、二・三日で帰れる筈だと妻・久子(高橋惠子)に言って別れる。 それが、五十余年の決別の始まりだった。 弥三郎はスパイ容疑をかけられていた。それは、異国の地で日本人が寄り集まって暮らす村に来た時、自分の家族と一緒に食事をしないかと弥三郎が誘った男の言に因っていた。 身の潔白を証明するためにひたすら「自分はスパイじゃない」と言い続ける弥三郎。 しかし、ロシア側は聞く耳を持たない。容疑を認めない弥三郎は、極寒の地・シベリアで抑留され、まさに地を這いながら、十年の囚人生活を送る。 刑期を終え出所したものの、スパイ容疑を被ったままの彼には、日本帰国が許されない。 生きていくための術として刑務所で身につけた理髪師の腕をもって、彼は生き抜こうとする。 そんな折、自分と同じような境遇に置かれたクラウディアというロシア人女性と出会う。 事実に基づいた話だそうで、名前も実名のようです。 弥三郎さんは57年のロシア生活の末、日本に帰って来ることができました。 その時、弥三郎さんは87歳。日本で一人、娘を育てながら待ち続けた久子さんは88歳。クラウディアさんは84歳。 私などには想像もつかない、まさに壮絶な人生だったのだと思います。 善良で、親切な芝居だと思いました。 何人かが狂言回しを交代で務め(でも基本的には弥三郎の同僚役の山西 惇。好き。)、説明過多でかつ分かり易い。 場面転換も明解で、これは演出上だと思う(思いたい)けど、一幕の終わりのシィンを二幕の始まりでやるという、週間漫画か連ドラかということをしていて。 話も至ってシンプルで、きっと色んな物を削ぎ落とす形で作られたのだと思う。 これは非常に・・・初心者に優しいお芝居だ、と、思ったのです。 これが初めて観るお芝居だったら、それは結構 幸せなことだと思う。 すんなりと、芝居っていいわね。と思えるんじゃないかと。アタシは考えるのですが。 分かり易くて、役者も上手くて(若い衆はみんな下手だったが)、舞台技術のクオリティも高くて。 凄くイイカンジに、初心者向けにできてるなと。むしろ それを狙ったんじゃないかなと。 だから、という訳でもないけれど、アタシは物足りないと感じました。 人間の心ってこんなにシンプルじゃないし、善良じゃないし。 だってさぁ・・・だって、嘘みたいなんだもん。 本当にあった話ですよ、て差し出されてるのに、信じられないんだもん。 それだけの説得力が、舞台上で展開されたものの中にあるとは思えなかった。 信じられるのは最後に流された弥三郎さんと久子さんがJR鳥取駅で再会した実際の映像(NHKが撮ってた)と、三人の写真と。それだけ。 そして、やっぱり それを流すことは卑怯だと思うの。禁じ手だと思うの。 逆に言えば、それを出したことで「これは あくまでドキュメンタリィですよ」と提示された、でも舞台はあくまで作り物で、迫真の演技と言っても演技は演技だ。慟哭も嘆息も本物じゃないし、大体にして そこまで真に迫るものは感じられなかった。 奇蹟の事実を無難に泣ける物語に仕立て上げました。そういう感じ。 客席からはすすり泣きの嵐でした。それが素直な受け取り方なんだと思う。 思想が見えない。 久子の台詞で、これがソ連のやり方か! という言葉を受けて、二回「いいえ、スターリンのやり方よ!」と言うのがあって、他にも諸々、戦争への提言は見え隠れするのだけども、芯が通っていない。 始まりのシィンはもっのすごく良かった。ピンと張り詰めた空気に、緊張感があって。 合間合間のダンスはどうなのかと思った。効果を成していない気がする。 イデビアン・クルーの井手茂太さん振付ですが、もっと上手い活かし方はあったんじゃないかと疑問。 ■
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by ling-mu.m
| 2006-01-25 00:28
| 芝居/舞台
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