カテゴリ:芝居/舞台( 85 )
小林一茶
鼻水がとめどない。

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観たものはちゃんと記録! の方向で。
ここのところ当たりが少なかったからテンションも上がらず書く気も無くしてたのだけどね。
今回も寝てしまった。二幕の間ほぼずっと船漕ぎ・・・。
あー(嘆)。チケットだってタダじゃないんだからつまんなくても目ぇかっぴらいて観なさいよ!
まったく、我ながら呆れて悲しくなってしまいます。

新宿にあります紀伊国屋サザンシアターにて、こまつ座の「小林一茶」を。
井上ひさしの作品を観ること、北村有起哉を観ることが目的。あと、劇場も行ってみたい所だった。

取り敢えず思ったことは、こまつ座はもう観に行かない、ということ。
よっぽどの理由が無ければ、きっともう一度 観に行こうとは思わない。二十代の内は。
というのも、これは客層に影響されたせいかもしれないのだけど、とにかくご年配が多い。
歴史も由緒もある劇団だし、なじみのファンとしてずっと観に来ている方々や、仕事ばかり家事ばかりの人生から解放されたんでちょっと芝居でも観に行ってみようかねぇ的な方、色々だとは思うんだけど、とにかくアタシは若すぎて浮いてた。劇場の中で。
で、実際の芝居も観てみて、これは、若いうちにはこれを「いい」とは思えないんじゃないか、それが当然なんじゃないか、という気がしたのですよ。

こういうのも好きよ、て言うのは問題ないと思う。でも、入れあげたら何かちょっとそれは保守が入ってるんじゃないのと言うか、枯れてるんじゃないのと言うか・・・。
この感覚を理解して貰うために説明するのはひどく難しい。
間違った解釈をされそうで、でも今のアタシには何とも言えんのが悔しいのだが・・・。

北村有起哉は、特に光ってることもなく、上手いなぁとも感じさせず、期待はずれな人でした。
「LAST SHOW」との差は、やはり演出の問題でしょうか。
役者が全員 下手くそに見えたのは、おそらく演出のせいではなかろうかと思うのです。
台詞の喋らせ方に違和感を覚えた。そして みんな噛みまくりでした。
ホンのせいなのか今日はみんな揃って調子が悪かったのか。とにかく出来としては駄目駄目だろうと。

井上ひさしの凄さは、残念ながら今回は分からずじまいで。
幸か不幸か今月はもう一本、井上作品が待ってます。「天保十二年のシェイクスピア」。
果たしてシェイクスピア全作を読破していない私に楽しみの半分も分かるのか。不安です。
しかし非常に楽しみだ。

話としては、俳諧師として成り上がりたい小林一茶の半生を劇中劇として語る。何で劇中劇かと言うと、一茶が出入りしていた札差の家から金が盗まれ、一茶が容疑者とされた。されば彼の立場になって考えてみようではないか、という流れ。
北村さんは野心溢れる一茶の役。
この一茶、俳諧で身を立てるためなら女も裏切る友をも出し抜く。相当にあくどい人物として描かれている。
何としてでも有名になってやる! という、果てしないハングリィ精神。
そして非常に格好悪いんだよ。何をはばかることなく俺は有名になりたいんだと叫び、大御所の家に出入りしていれば箔が付くからと泣きつき、その道の行く手を阻む者には容赦なく手を出し。
死にもの狂いに頑張ってる。
そういう姿が新鮮だった。

バイト柄、今の日本の成功者たちが書いた本の表紙を毎日 眺めてる。
色んな手法で成功を手にした人たち。きっとタダでは今の地位にはいない人たち。
中を読んだことはないから、彼らの苦労の程は知らない。
ただ、表紙を飾る彼らのスカした顔と、北村演じる一茶と、どっちがいいかっつったら一茶のが人間らしいなぁと。泥臭くていいなぁと。
汗水たらしてる姿を見ないと、人間の本質って分からないのかもしれない。
必死な一茶の姿には、心打たれるものがあった。収穫はそれだけだけど、でもそれで良かったのかもしれない。

一茶が劇中で「江戸は芸のなる木を植える場所」ということを言ってて(うろ覚え)、どんな芸能も、たとえ上方で生まれたものでも結局 洗練され根付き発展するのは江戸なのだ、て。
日本の中心地は、やはり江戸の頃から変わらないのかねぇと思ってしまったよ。
時代は変わりつつあるとは言え・・・やっぱり地方は、カルチャーの面ではやはり置いてけぼりをくってると思うんだよねぇ。
その構図は悲しいかな、どんっなに通信技術が発達したところで変わらないものという気がする。
それは実はイイコトなのかもしれないけど。芸術家を生むのは東京だけ、てことでは決して無いから。
でも、地方出身者としてはやはり何だかんだ言いたくはなりますよ。ええ。

あと、分別のない大人はこの世で一番 嫌いな生き物だなと改めて思いました。
無駄に長生きしてんじゃねぇよ。
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by ling-mu.m | 2005-09-10 01:27 | 芝居/舞台
MIDSUMMER CAROL~ガマ王子VSザリガニ魔人
何の予定もない2連休を満喫して足の爪なんぞ切っておったら ふとチケットの存在に気づいて慌てて出かけてまいりました。
千駄ヶ谷は日本青年館にて、秋に上演されます後藤ひろひと作、G2演出の芝居「ダブリンの鐘つきカビ人間」のプレイベント。
芝居の出演者トークと、昨年夏の舞台「MIDSUMMER CAROL~ガマ王子VSザリガニ魔人」の上映会。
ダブリンの方は片桐仁が主役をはるってことで当然チケットを取りまして、主役だからトークイベントも出る訳で、そりゃー仁君に会いに行かなけりゃと思い、ガマ王子の方は以前WOWOWで放映されたんだけど観終わる前に上から重ねちゃってたのでちょうどいいや、てことで出向くことに。

「ガマ王子」の仁君は割とチョイ役。割とまともで。変態ではなくてちょっとガッカリ。
後藤ひろひと、実はちょっと食わず嫌いだったんだけど(にぎやか過ぎる感じがしてどうもなぁ、と)、食わず嫌いが割と多い私なのでちょっと反省しまして、仁君も主役やることだし観てみようかな、と。中越典子が「ダブリン」に出るんだけど彼女のこともあんまり好きじゃなくて(特に理由は無い)、でも仁君を見逃す訳にはいかんしな、と。
キッカケは片桐仁。

さて食わず嫌いの後藤氏の作品、観終わってみたらば内容もがっちり濃くて無駄が少ないしねっとり過ぎないいい話だし、総じて、観てよかったーと思わせるものでした。

舞台は病院。「お前が俺を知っているというだけで腹が立つ」が口癖のどうしようもないジジイ・大貫を始め、7人の入院患者。看護婦が2人に1人の医師。
主演は長谷川京子と伊藤英明。ハセキョーは看護婦で、伊藤は子役あがりの売れない俳優で自殺未遂をおこしては病院に転がり込んで入院していく。

も、ねー。ハセキョーが下手で下手で。どっ下手くそなのね。知ってたけど。もーホント下手。
何でこの人 女優やってんだろねー。CMだけやってりゃいいのに。下手くそー。
伊藤はそれなり。生で見たらかっこよかったんだろうな。演技がTVっぽかった。

今作 抜群に演技が光ってたのは、パコちゃん役の加藤瑞貴ですな。
交通遺児で、事故の影響で眠ると記憶をなくしてしまう女の子。「たんじょうびおめでとう。毎日読んでね。ママより」とメッセージの添えられた絵本を持って、頑固ジジイの心を動かす。
中学生とは思えない演技っぷりですよ。いい子 見つけたなーてホントに思う。

頑固ジジイ・大貫を演じるのは木場勝己。このジジイがまた酷くて・・・途中退出、とまではいかなくても見事に不愉快な思いにさせてくれるジイさんでねぇ。
ワガママ放題で女子供にも容赦しない。その一貫した態度にはある意味 敬服するけどねぇ・・・。
じいさんがパコの病気のことを知らずに彼女を泥棒扱いして殴って、それがキッカケで彼は変わり始めるのだけど、だから彼の対比をより明確にするための演出なのだよね。あそこまで酷い人物を描いてやらせるというのも中々に勇気のいることだと思う。甘さがないから。本当に嫌なじいさんなんだよ。
「ここに先にいたのは俺だ、だからここは俺の場所だ」と言ったかと思えば、「俺がここにいたいんだからお前がどっかいけ」とか言っみたり。ホント酷い。
でもじいさんは変わろうとするんだ。パコに償いたくて、パコの心に残りたくて。

ハセキョー演じる看護婦が伊藤演じる青年に説教するんだけど、その時の台詞がかっこういい。
「あの じいさんは今変わろうとしてるんだ、変わるってことが どれだけ怖いか、お前分かってんのか? じいさんは今 怖がりながら戦ってるんだ」
的なことをね。正確ではないんだけどね。
変わることは怖いこと。変わることは戦いだ。
・・・・・・確かに、ねー。

後藤ひろひとの演技も中々。でもあの人はきっとああいう役しかできないのではないだろうか・・・。きっと幅広く色んな役をできる人ではなさそう。な気がする。

「パリアッチ」でカッコイイ姐御っぷりを見せてくれた瀬戸カトリーヌ、ここでもその目ぢからの強さは変わらず。ホントに目が光ってる気がすんだよこの人。怖いよ。綺麗だけど。
犬山イヌコも出てました。この人も仁君 同じく普通な感じで・・・もっとはっちゃけてる彼女の方が好きな身としては、物足りなさを感じずにはいられない。でもまぁこの芝居に関してはアレぐらいがちょうどよかったのだろうね。はっちゃけてる姿は「トーキョーあたり」で見れたし。うん。

トークイベントの方はあまり盛りあがらず。まぁウチは仁君さえ見れれば文句ないからいいや。
たのしみだなー。3年ぶりの再演だそうで、初演時は長塚圭史や大倉孝二が出てたそうで。それはそれで見たかったー。DVD買おうかなー。

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久し振りに「紅の豚」を観た。やっぱりジーナさんは格好良すぎる。あんな粋な女になりたいものだ。ハリウッドにはボク一人で行きなさいね。て。くーっ。

「WATER BOYS」の最新かつ最終作は、まぁ2日間だし こんなもんかな、と。やっぱ映画が一番いいや。許せてもテレビシリーズの一作目までだなぁ。

そしてハチクロの最新刊を読む。真山が幸せになりそうな感じでえー。片思いの連鎖は切なすぎてどっかがどうにかなれば全部うまくいくのにっとは思っていたが いざ奴がリカさんとくっついちゃうとねー。山田と野宮があっさりうまくいっちゃうのもどうなのよ? て感じじゃないか。そして竹本君が一番どうにもなりそうもないじゃないか くそーう。彼のモノローグに涙が出そう。「ホントにへんだ 空がきれいで みとれたりしてるんだ」って! まるっきり「恋のはじまり」じゃないか! 花屋のーぞいたりーぃしてー。てさー。

ハイハイ分かる人だけ分かってください。
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by ling-mu.m | 2005-08-25 01:23 | 芝居/舞台
STOMP
バイト四連勤がやっと終了しまして。たかが4日。されど4日。キツかった・・・。
昨日は朝からバイトした後、劇団健康の「トーキョーあたり」を観て来まして、まぁその感想なりはそのうち気がむいたら。

今日は、前回公演(2年前)の時から行きたくて仕方なかった「STOMP」へ。
大抵のものは一人で観るアタシですが、これだけは絶対 連れが欲しかった。ので、友達 誘ってレッツ品川プリンスのステラボール。

「STOMP」は芝居ではなく、特別なストーリィもなく舞台転換もなし。
廃工場を思わせるステージで繰り広げられるのは、色んなものを叩いて音を出すパフォーマンス。
デッキブラシに始まり、手や足なんかの自分たちの体も当然、指パッチンとかお腹を叩いたりもするし、新聞や木箱、木の棒にアルミバケツ、ドラム缶とかパイプ椅子とかもあったし、水の入ったシンクを首からぶら下げて出てきた時には驚いた。
叩いて音を出してリズムを作る。そういうパフォーマンス。

すーごい気持ちよかった! よ。楽しかった。ショートコント風に何となくのエピソードがあったりもして、笑いも沢山。
とにかくスピードが凄い。なっんでそんなに早く手が動くの足が動くの! て。
総勢8人のストンパーがいて、8人ともちょーカッコイイの。イギリスの団体なんだけど、一人だけ日本人の女の子がいて(女性はあともう一人いた)、ムッキムキのお兄さんたちの中で互角に張り合っておんなじ格好良さを見せつける姿は素敵すぎた。惚れる。

ステラボールは基本的に音楽ライブで使われるっぽい所で、劇場ではないのね。普通はスタンディングスペースとしてあるだろう所にパイプ椅子が並べられてて、それはどうなのよ!? て正直 最初は思ったけど、始まってみたらそう悪くなかった。
でも、座りながらお利口に観るもんじゃあないねコレは。踊りだしたくなる感じ。

終わった後に席を立ってステージに駆け寄ってストンパー達とハイタッチできたってことで、見やすいだろう二階席(は、ちゃんと椅子が設置されてる。ワンドリンクつきで値段が高い)より一階席のが正解だった。と、思う。うん。

音って空気を振動させて伝わるんだ、て思い知る感動。
気持ちいいものですなぁ!

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明日から写真部の合宿に行ってきま。
人見知り大発揮であろうが頑張って馴染んでくるさ。
楽しめればいいのですが。
帰ってきた翌日にまた朝からバイトってのがね。放っとけば絶対に遅番(昼から)にされるのにそこに限り朝番ですよ。そしてまた四連勤ですよ。でもそれが終われば金沢に行くのさ。ふふん。
がんばろ。
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by ling-mu.m | 2005-08-09 22:53 | 芝居/舞台
キャッツ
3度目の劇団四季です。
おかんのおごりで、五反田でミュージカル「キャッツ」を観て来ました。妹も一緒に3人で。

キャッツシアターはその名が表すとおり、「キャッツ」のためだけに建てられた仮設劇場で、あらゆるものがキャッツ仕様になってます。
劇場自体に、もうでっかくCATSて電飾が光ってるし、車停めちゃいけませんよ表示とかトイレ表示も猫。

ロビーから舞台のある扉をくぐれば、そこはもうキャッツの世界。壁中に猫目線の大きさのゴミが貼られてるし、舞台の幕もないのでセットが丸見え。
舞台は円形で、ぐるっと、280度くらいかな? 客席がめぐらされてて、そのせいか小さく見えるんだけど実は1200席もあるんだよね。
四季の劇場は客席を狭くして一度に観られる客数を多く、尚且つ舞台と客席を近くしてるんだけど、それが顕著に表れてる劇場ではないかと思います。

キャッツシアターは以前 軽い見学だけさせて頂いたので、劇場に一歩 足を踏み入れた時の驚き、とは残念ながらもう出会えませんでした。
が、それでもやはりワクワクするものですな。照明落ちてお客さん入ってるとまた雰囲気違うし。

「オペラ座の怪人」に比べて、客層が幅広かったような気がします。老若男女。あーでも、あんまりおじいちゃんおばあちゃんはいなかったかな。子供率がちょっと高い。夏休みだしね。
なんか、偏見かもしんないけど、こういうの興味あるんだ? て感じのB系の人とかもいて驚いた。いや、見た目で人の中身 判断しちゃいけんですよね。うん。
綺麗に着飾った人もいれば、ふらっと来ちゃいましたよ風のTシャツのおばさんとかいて面白い。色んなタイプの人が観に来る、て点でも四季は他の劇団から抜きん出ているのかな、と思いました。大衆芸術として成り立ってる、てことだもんね。

さて、有名な割にそのストーリィを知らない人は多いんじゃなかろうかと思うのだけど(アタシだけか? 観るまで全然 知らなかった)、別に大したストーリィは無くて、年に一度 開かれるジェリクル舞踏会で、天井にのぼる猫を一匹だけ決まるんだけど、それが誰になるか色んな猫を紹介しつつ行方を追おう。という感じの、至極 単純で子供にも分かりやすい話。

ミュージカルはちょっとねーと言い続けてきた私ですが、いやぁ・・・・・・面白かった。
楽しめちゃったんだよねーキャッツ。何か悔しいんだけども、2時間半があっという間でしたよ。

踊りがねー、何と言っても凄く楽しくて。
大人数で足並み揃ってるものが好きなので。北朝鮮の軍隊の行進とか飽きずに見れちゃう人なので。
踊れる面積はかなり少ないであろう舞台上で20人・・・もとい20匹以上の猫が手足 振り回して踊るのは相当 苦労すると思うんだけど、でも綺麗に踊るんだよねー。日頃の修練の賜物なんでしょうなぁ。お見事。

特にスポットが当たってエピソードが語られる猫は10匹ぐらい。他の猫たちもそれぞれに名前があって個性もあるので、みんな観てるうちにお気に入りが見つかるんじゃないかと思う。
ちなみにアタシの目が釘付けになったのは、タントミールという名(パンフで確認)の茶色い雌のシャム猫。すっごい細いんだよこの人。基本的にみんなぴったりタイツで体のラインがモロに出るんだけど、この人は際立って綺麗な身体だったのね。
ほっそい! ほっそい! てずーっと目がいってたさ。

猫の世界は完全に擬人化されてて、政治が好きな金持ちのおっさんとか寝台特急のポーターとか泥棒カップルとか落ちぶれた娼婦とかが出てくる。
あらゆる悪事を働く悪役も出てくるんだけど、そいつを懲らしめようとかいうストーリィじゃないとこがいい。ジェリクルキャッツを決める権限を持つ長老的な爺さんがそいつにさらわれるんだけど、それはマジシャン猫紹介のエピソードにつながるだけで犯罪王は野放しのままなのね。そういうところが妙に現実くさい。
猫の世界を語るんじゃなくて、猫に仮託した人間世界の話。
人間が猫を演じてるのを観ながら、こういう統制がとれたことができる姿はやっぱり人間の特別性を表しているのだなぁ・・・などと考えてしまうあたり、アタシも子供じゃないなぁと思う。まぁ それで特に落ち込む訳ではないけども。

上質なエンターテイメントです。ストーリィにおいて深読みができない訳じゃないけど、それよりも、ただ表されてる世界を素直に楽しめばいいと思う。何度も観に行くようならまた見方は変わってくると思うけど、取り敢えず一度 観れば満足だし、一度は観ておいて損はないんじゃないかと。
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by ling-mu.m | 2005-08-05 01:43 | 芝居/舞台
お父さんの恋 Family Tale
今月はバイトしまくりのため、ろくにナマの芝居を観に行かない。
その分 映像でカバーしたいんだけど、映画観たり舞台のビデオを学校に観に行ってる暇が果たして あるのか不安。睡眠時間さえ削れば時間はできるんだけど。
てことで、明日は貴重なお休みなので夜更かし。
以前 録画しておいたWOWOW放送の「お父さんの恋 Family Tale」。
あんまり興味はなかったんだけど、まぁ折角やるし堺雅人 見たかったし。

杉本家は二女一男の三人姉弟。
父・正樹(前田吟)は一年前に脳出血で倒れてから植物人間。新築したばかりの家でヘルパー・さおり(星野真里)と暮らす。
母親の十三回忌のために久し振りに帰ってきた姉弟は、以前のヘルパーがやめて年若い娘が父の面倒を見ていることを初めて知り、彼女の魂胆を疑う。
3人はそれぞれ家を出ていて、長女・正子(七瀬なつみ)は玉の輿に乗り一児の母、次女・美樹(菊池麻衣子)はネット通販会社の女社長、長男で末っ子の大樹(堺雅人)はニート時々フリーター。
近所の幼馴染・藪(池田成志)は離婚をしてから医者を志し、父の診察を担当している。
目を覚まさない正樹は、しかし意識はあって さおりに恋心を抱いている。
父の面倒を見るだ見ないだのの醜い言い争いする姉弟を見かねたさおりは正樹と結婚するとか言い出すし、さて、お父さんと杉本家、それから当然 ワケアリなさおりの行く末や如何に。

家族ものです。パルコ劇場です。「LAST SHOW」に通じる二点。
何だかなー。まーた泣いちゃったよ。いやぁ、不本意。家族ものに泣いてる自分が不本意。納得いかない・・・。悔しい・・・。
今回はホントにホントにストレートに家族もので、だって副題がFamily Taleだし、だから余計になんか・・・要は舐めてかかって足元さらわれた、て感じ。

堺雅人は人気のヒトなので一度ちゃんと見ておこう、と思ったんだけど、別にそんなうまくない。
大樹の、どーしようもなくてへらへらした頼りなげな感じは十二分に出てたけど。笑顔が気持ち悪い。何処が格好いいのだか皆目 分かりません・・・。
今回は姉妹2人が良かったですよ。七瀬なつみと菊池麻衣子。前者はどっかで見たことありそうな おばさん。「おみやさん」に出てるらしい。長女の、おっとりしてて女らしい、コミカルでちょっとふわふわしたキャラをまさに絶妙! に演じてました。好き。
菊池さんは今まで特に注目したことはなかったけど、ヒステリックな怒鳴り合いのシーンでおっ。となりました。この人そういうキャラ多いよね。
前田吟の、よく喋る、それなりに封建的ででもお茶目で子供思いの父親も素敵。植物状態、ということで、彼の台詞はほぼ独白に近いのだけど。
そんな中で下手さが際立っちゃったのが星野真里。金八先生の娘役のヒト。最初から最後まで一貫して下手でした。姉弟の会話に泣かされたんだけど、彼女が喋り始めた途端に冷めちゃってテンションもすっかり落ち着いてしまった。下手だと台詞のチャチさが倍増しだしね。このヘルパーのキャラが嫌い、てのも大きな要因なんだろうけど。残念。

家族の間に無償の愛があるなんて嘘で、親は子に報いを望むようになる。
て、お父さんの台詞。利害が一致しなきゃ、家族なんてやってられねぇよなぁ、て。育ててやったんだから老後の面倒は見ろよって思う。それって人としてはそりゃあ当たり前の意見だよねぇ。
ウチの母親は、寝たきりになったらもう施設に入れてくれ、なんて言うけど、それも本音かどうか分かんないし。本人じゃないから分かんないよ。
寝たきりで意思表示ができない正樹の気持ちを、姉弟はそれぞれで想像すんだよ。
一人じゃ寂しいだろうから さおりと結婚させてやれだとか、家と土地売ってお金に換えて介護費にあてた方がお父さんのためだとか、安楽死させてあげた方がお父さんも楽だとか。
でも そんなん誰にも分かんないんだよ。お父さんじゃないんだもん。

親って何 考えてんだろうね。
親の気持ちなんて親って立場になんない限り分かんないもんなのかね やっぱり。なったところで違う人間であることに変わりはないから分かんない部分も多いだろうけど。なったら分かったりすんのかな。例えば家にお金を入れもしない大学中退フリーター街道の息子を追い出さない気持ちとか。
全然 彼らの気持ちなんか分かんないですけど今は。親になったら分かんのか。なる気もないですけど。
でも基本的に親が子供のことなんか普通にちゃんとすごい大事に思ってるってことは分かってるよ。そりゃ分かってるよ。気持ちの表れ方は千差万別で、だから うまく伝わらなかったりして面倒くさいんだけど。間違った方向に行っちゃうことも多々あるご時世ですけど。
自分が死んだら親が超悲しむことなんか分かってるよそんなの。

末っ子の大樹が流行りのニート。しかも30過ぎで。
どうだかねぇ・・・。
「やりたいことが見つからない」て、アタシにはただの言い訳にしか聞こえん。そう思っても働かなきゃいけないのが大人だろう。定職 就かなきゃなのが大人だろう。
自分が信じてる道があって、それを自分の力で生活しながら追うのは全然 構わない。けど、パラサイトして かつ夢を探してるようなのは駄目だろう。甘ったれだろう。
学生やめたら自活せにゃ。

あー。なんか面倒くさいもん観ちゃったよ。面白かったんだけどさぁ・・・それがまた悔しさに拍車をかけるよね。
多少 音楽なり照明なりが感傷を呼び起こしすぎるかなぁ、という感はある。台詞だけで充分だろう。
さおりにまつわる云々も ちょっと弱いかなー。
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by ling-mu.m | 2005-08-02 04:27 | 芝居/舞台
鈍獣
WOWOWで去年だかに岸田國士賞を獲った工藤官九郎が脚本 書いた「鈍獣」を観る。

何か・・・きもちわるい。後味 悪い。つまんないし。
つまんない。つまんないんだよ。これで岸田賞? そうなんだ・・・。ふーん・・・。

きもちわるい。気持ち悪いのは多分 正解なんだよね脚本的には。後味が悪いのも。
もうハナっから面白くなくて、何処が駄目なんだろう何で駄目なんだろう、て考えながら観てたんだけども判明せず。
だって面白いとは思うのよ。脚本はね、要所要所 面白いのね。ギャグもね。笑いどころは少ないんだけどね。でも面白いと思うのね。でもつまんないの。
はぁー?
自分でも分からん・・・。

役者。ねずみの三銃士はいいのよ。池田成志と生瀬勝久と古田新太。またもや古田氏。最近 縁が続いておりますが。生瀬さんがスゴイ。卑屈な演技させるとスゴイ。その微妙な心理表現が。参りました、て思う。目が怖いよね。あの目で見られたくないなー。
古田氏はいささか飽き気味。連続して見すぎた。
女性人がイマイチなー。個々の演技は好きなんだけどどうにもしっくりきてないって言うか互いに馴染んでない気が。した。
乙葉と西田尚美と野波麻帆。

うーん・・・気持ち悪さが消化できない。
寝る。
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by ling-mu.m | 2005-07-21 03:39 | 芝居/舞台
髑髏城の七人 アカドクロ
友達に借りたDVDで劇団☆新感線の「髑髏城の七人 アカドクロ」を観る。
2004年の春にやったヤツ。再々演って言ってたか。
正直 新感線には全っ然 興味がなくて、BSで舞台放映してくれる数少ない団体なのにそれも観てなかったっていう勿体ないことをしてた。
本で主宰・いのうえひでのり のインタビューを読んで初めて関心を持って、舞台の古田新太にも目覚めたし何でだか「吉原御免状」のチケットも取っちゃって(何か・・・イキオイ?)、したら友達がDVDを持っていると言うので、まず観とこう、と思って貸して貰ったのです。
結果的には、観て良かったな、ていう感想。

派手だね!
流石 歌舞伎と銘打っているだけあります。いのうえ歌舞伎の走りはこれなんだよね? 当時の斬新さは如何ほどだったのか。97年・・・アタシ中1かー。幼いな。

音楽が派手。照明が派手。物語も派手。衣装はそうでもないけど。
エンターテイメント! ですね。ハリウッド的なノリ。人物の心理が明快で明瞭。細かく演出してる隙間がないから、逆にすっきりして変に引っかかることなく するっと話を飲み込める。爽快です。気持ちよく観終われる。

パラレル戦国時代。
織田信長の影武者だった捨之介(古田新太)と蘭丸(水野美紀)は、彼が死んで後 流浪の民と色町の経営者になっていた。天下統一の夢は潰え、戦場からは身を引いていた二人。しかし、自ら天下を獲ろうという画策を立てる、もう一人の影の者が「関東髑髏党」を率いて天魔王を名乗り、大阪から迫り来る豊臣の軍勢を迎え撃つ、その戦に巻き込まれていく。
ヒロインは、築城の民である沙霧(佐藤仁美)。髑髏城の地図を盗み追われている彼女を捨之介が助けるところから話は始まる。
他にもにぎやかく色んな人が出てきて、いつの間にか七人 揃って、最終的に髑髏城に天魔王を討ちに行く、て筋書き。

古田新太が主演。
デブなのは変わらないのに格好いい。やばーい。
でももうちょい重い演技の方が好きだな。軽すぎる感がある。水野とノリが0.5ぐらいズレてる。
天魔王役と一人二役。天魔王が捨之介と同じ顔をしている、その意図は、やはり捨之介の心にさえ巣食う天下獲りの野望という暗い部分を表しているんだろうか。それとも単に観客をあっと言わせるためだけか。・・・いやいやー。違うよねぇ。

水野美紀はなかなかの迫力。最終的に裏切る、でも信念は通す悲しい人間を男前に演じてた。
最近 見ないけど、さっぱりした喋り口が好き。「女子アナ」観てたなー。

佐藤仁美も好きなタレントの一人。何となくキツめなとこがね。「R-17」で初めて知ったんだよ。たまにホンジャマカの石塚と旅番組やってたよね。再放送で3回ぐらい観てる。
今回はまっすぐで正直な幼い少女の役で、無邪気さが分かりやすくて いい。感情表現がストレートなキャラで、見てて安心する。

坂井真紀もヒロインだね。色町の極楽太夫、でも本当は雑賀の残党で鉄砲作りの名手。これまた男前で。舞台演劇のヒロインて格好よくなりがちなのかな。すーごくオンナオンナしてるのってあまり見かけた記憶が無い気が・・・。自分が男前な女の人が好きだからそういう印象を受けてるだけかな。それもありうるな。

あと、アタシの大好きな梶原 善が出てるのだよ! もースゴイ好き。スゴイ好き。「王様のレストラン」でパティシエやってた人ね。三谷作品によく出てる。何かねー、何が好きって訳でもなく好きなんだよ。雰囲気? まとってるものが魅力的なのさ。

活劇で歌舞伎で戦国時代だから殺陣のシィンがわんさとあって、でも飽きずに楽しんで見れた。かきぃん、かきぃん!! て。音響ってすごいね。照明も。場面をとてもリアルにする。今回は特に照明に惹かれた。例えば人が切られた時に赤い照明を重ねるとか、そういう何気無い演出に目がいった。なるほどねー、て。まぁ照明の勉強しなきゃなと思ってるから、てのもあるんだけど。

髑髏党の皆さんが仮面ライダーの敵役みたいな仮面かぶってて、顔が見えなくて可哀想だなーてずっと思ってた。ぬらぬらしてんの。そこだけ世界観 違って、秀吉とか家康とか普通に名前が出てくるんだけど何か違和感を感じる。髑髏党だけ異国の人みたいで、日本っぽくない。その違和感も多分 計算のうちなんだろうけど。

橋本じゅん演じる抜かずの兵庫が率いる関八州荒武者隊(味方)の面々が、これでもかって程にダサダサの、ギャグみたいなメイクと衣装で、ここまでやるかーって感心した。この舞台、顔のいい男がいないのね。キャスティングで。それでもこんだけ格好良く出来るってなかなか無いんじゃないかなーと思った。例えばこれが映画で同じキャストでやろうとしても無理なんじゃないかしら。


カメラの台数がすごい(10台以上 使ってるらしい)から、いい映像で観れるんだけどその分 映画的で芝居としての純粋な見方は出来てないなって思ってしまうのは仕方ない。単純に楽しめればいいんだけど、そうもいかない。映像で感動2割増しぐらい出来る。そこが気に入らない。
やっぱり生で観てナンボだろう、て、その考え方は覆らないなー。

「吉原御免状」が楽しみだー。売れっ子・堤 真一が観れる。梶原善も出るんだよー。
下半期のミーハー祭は、これと「天保十二年のシェイクスピア」で完璧だわ。
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by ling-mu.m | 2005-07-19 04:10 | 芝居/舞台
パリアッチ(pagliacci)
新宿の全労災ホール/スペース・ゼロにて、クリオネプロデュース#3「パリアッチ」を観る。
ペンギンプルペイルパイルズの倉持裕の作・演出で、小林高鹿とラーメンズ・片桐仁が出演するためチケット発売と同時に意気込んで申し込んだ演目。
そしたら席が一番前のど真ん中で。
高鹿が、仁君が3メートル先に!! ていう状態だったのでもう全然 落ち着いて観れませんでしたよ。ええ。
いいんだ今日はミーハー祭だからっっ。

高鹿さんとの出会い(ぷ。)は「R&J」で、その時に遠かったけど凄いうまいなと思って、また観なきゃと思ってた。
久し振りに見る高鹿さんはやはり素敵ガイでした。
でも正直 役者のうまさとか測れる距離ではないなと思った。
物語そのものも全体像を捉えられなくて、視界に入りきらないってのはつまりそういうことなんだと思う。
客観的に眺めるということが不可能。

今回は同じく倉持さん作の「」より登場人物も多くて話も複雑で、だから終わった時にわかには信じられなかった。
「え、え、まさかこれで終わり!?」て。「何も分かってないじゃん!」て。
まさかあんな切られ方をするとは思わなかった。
結局のところ核心は何も明かされていなくて、事の真相も語られずじまいで、あまりに不親切じゃないかい!? と思ったんだけども、帰り道に整頓してみたらそれでも何となく納得いくことはできたかもしんない。でも出来ればもう一回 観たい。もう少し冷静に・・・。

今回はもうはしゃぎすぎた。喜びすぎた。特に片桐仁に。
人様んちの片桐氏は当然 ラーメンズでコントやってる時より変態度は低いしそれなりにまとも。それがつまんないような新鮮なような。
演技という面では他の俳優さんに劣るんじゃなかろうか、と思ってたんだけども全然そんなことはありませんでした。ごめんなさい。
太朗(片桐家長男)が一歳になったそうです。おめでとう!

瀬戸カトリーヌがいい味 出してた。キャラ設定がまず いいのかね。
伊達暁が出てて、阿佐ヶ谷スパイダースこれで2人制覇(別に勝ってない)。長塚さんも秋に役者やるようなので要チェック。
ペンギンプルペイルパイルズの本公演も控えてるし、また高鹿さんが観れるかと思うと胸が躍るね。ぼくもとさきこも可愛かったし(ちびっちゃいのが意外だった)。でも脚本はこれより礎の方が好きだな。分かりやすいし。他の戯曲も読も。
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by ling-mu.m | 2005-07-13 23:37 | 芝居/舞台
LAST SHOW
渋谷はパルコ劇場にて初の観劇。
阿佐ヶ谷スパイダースの長塚圭史が作・演出をした「LAST SHOW」。
出演は風間杜夫、永作博美、北村有起哉、中山祐一朗、市川しんぺー、古田新太。

舞台を観て、初めて泣いた。
泣きながら、ちゃんと生きてみようかなと思った。
記念に初めてパンフレットを買ってみた。
色んなことを考えながら帰った。
一回 整理してすっきりさせてから明日にでもレビューを。書こうと思うので。

気持ちはひとところには無いけど。
あそこで自分が泣いたことは、覚えておこうかなと思う。

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追記。7月12日。
家族について描かれた芝居で記憶に残っているものってあんまり無い。記憶云々の前に、あまり観ていない気がする。
先月末に観た黒テントの「帝国の建国者」は、家族を描くことで訴えかけをしてくるけど核として家族というものは無かった気がする。
そういう意味で、「LAST SHOW」は自分にとって新鮮なホンだったのではなかろうかと思う。

小さなTV番組制作会社に勤める石川琢哉(北村)は、野心ばかり強くて才能がない。しかし、捨てられた動物を保護して動物王国を作り話題となった渡部トオル(古田)のドキュメンタリィ番組のディレクターとなり、ヤル気に満ちている。そんな彼の妻は、子役時代に一世を風靡した、現在 落ち目の女優・美弥子(永作)。琢哉と共に番組を作るカメラマン・中島(中山)の容赦ない発言のせいで渡部の怒りを買うが、彼が美弥子のファンであり彼女と引き合わせるという条件で渡部を引き止める。
そんな折、石川家を訪ねてきた初老の男性。彼は、琢哉が幼い時に別れた実の父親・勝哉(風間)だった。記者会見放送で2人の結婚を知った勝哉は、お祝いに来たと言い、家が改装中なため今はホテル住まいだという。そんな彼の訪問に大喜びし、泊まって行けと無邪気に勧める琢哉。それが、勝哉のどす黒い復讐心を果させるきっかけを与えてしまうことになる。

古田新太スゴイ。うまい。今更 過ぎて当たり前なんだけど、もうホント彼はスゴイ。
見た目 ただのデブな親父なのに。面白すぎる。かつて痩せてて格好良かったなんて・・・想像がつかない。
中山祐一朗も、正直 んー・・・ちょっと下手? とか思ったけど、中島っていうハチャメチャなキャラをとてもよく作りこんでた。ベテラン達に全然 圧倒されてない。素敵。
永作は可愛い。美弥子は落ち目だけどそれなりにプライドも持っててちゃんと強い女で、勝哉にものっ凄い脅されるんだけど負けてなくて格好良い。泣き寝入りしない強さ。いい女。

総じて、キャラ作りがすごくいい。

勝哉は「琢哉が生まれなければ自分は妻と別れなくて済んだしもっと違う人生があった筈だ」て思い込んでる人で、彼に復讐したい一心で美弥子を殴ったり(子供がいるかもしれない、て聞いて腹を殴る。病院にも行かせない)、俺を好きになれとか渡部を好きになれとか言ったり(要は琢哉から気持ちを剥がしたかったのだろうが)渡部に美弥子をレイプさせようとしたりする。
その手法はあまりに幼稚で、でも彼が大人で男で腕力も言葉の力もあるばかりにその暴力っていうのは本当に見るに堪えなくて辛い。
5月に観に行った「ハメツノニワ」以来、久し振りにアタシは途中退場したくてしたくてたまらなかった。見ていられなかった。歯を食いしばって我慢しながら、長塚作品もう一生観ない、て考えてた。

美弥子さん最大のピンチの時に勝哉に殴られて気絶してて何処かに閉じ込められていた琢哉が戻って来て(ヒーロー!)、勝哉制裁かっっ、てなるんだけど、その前に渡部の真相が明らかにされる。
渡部は実は動物愛護の優しい人なんかではなくて、犬猫を食べる人だった。最近 彼の家の近辺で珍しい種類の犬猫が消える事件が多発してたのは好奇心に駆られた彼に盗られたせいで、でも全部を養うことは出来ないから食べるんだ、と彼は言う。
彼の弁ではそれは愛ある行為で、可愛いから食べるんであって、愛情をこめて食べてあげるのがその子のためで、一番 貧しかった時に飼い犬のピーターを食べたのがきっかけだった。
その貧しい時代を共にした母親が死んだ時、不味かったけど俺は母ちゃんを食べた、全部食べてあげた、それは俺が母ちゃんを愛してたからだって(ちなみに母親は犬猫を食べない)。
そういうキチガイな愛の形。

現代日本じゃ犬猫は明らかに牛や豚とは扱われ方が違って、アタシも物心付く前から家には犬がいる生活をしてるからやはり彼のような存在が実際いたとして(いるんだろうな、どっかに絶対)、許せないなと考える。愛があるからって食べない。例え老衰や病気になって死体になってからだって食べない。どんなに美味しくても。

長塚氏はまた酷い演出をする人でさ、まずちゃんと生きて動いてるキャバリアを登場させるのよ。ショコラっていう。その子が次に発見された時には体のうしろ半分が食べられてて真っ赤な肉がビロンビロンしてる、ていう・・・。最低。最初は直視できなかった。笑う前にうえぇぇ(泣)て。でもここでは泣いてない。

何処で泣いたかと言えば、勝哉が自分の気持ちを吐露して「お前なんか生まれなきゃよかったんだ」て琢哉に言って、どういう流れかは忘れちゃったんだけど(だってあまりにその先が衝撃的だったから)、勝哉の指示で美弥子が渡部に食べられそうになる。琢哉は捕まえられて助けられない、万事休すっっ・・・てなった時に、美弥子のお腹がどんどん膨れて、股の間から出てきたのは太ったおっさん。羊水まみれの。

勝哉に殴られて駄目になったかもしれない、というか最初からいなかったと美弥子が言い張った(そう考えないとやりきれないから、て ここでもまた超人的な強さを見せる)、その子供が「お母さんがあまりにピンチで早く大きくなりたいと思ったら大きくなりすぎちゃって出てきてしまいました」て言う。そんで勝哉に説教する。

「子供は生まれてくる家を選べないし親を選べない、親も子供を選べない」
「生まれてこなきゃよかったのはお前だよ」

て。ここで泣いた。

勝哉は結局 自分で手首を切って死んでしまう。子供も、美弥子に「貴方じゃないと嫌」て引き止められるんだけどどうせは流れる運命だったから、と言って消えてしまう。我が子に示された母の愛。息子への復讐心で生きていた父の最期。

何で泣いたかって、それは勿論 感動ではなくて、まぁ そこはいいや。書くのやめ。

長塚圭史はちゃめちゃだなーって。そういう印象。
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by ling-mu.m | 2005-07-11 23:49 | 芝居/舞台
TOYOTA CHOREOGRAPHY AWARD 2005
友達に誘われて、三茶の世田パブTOYOTA COREOGRAPHY AWARD 2005 の、ネクステージ(最終審査会)2日目を観て来ました。

「次代を担う振付家の発掘・育成を目的に、トヨタ自動車株式会社と世田谷パブリックシアターとの提携事業として、2001年に創設され」た催しで(HPより引用)、今年の応募総数は161件。
去年までは隣のシアタートラムで行っていたのを、今年は大きいパブリックシアターの方に移し、賞金も倍額になったんだとか。良い傾向ですな。

年令・キャリア・ジャンルを問わず、という、よく言えば柔軟な賞で、一般の観客を入れての最終審査会が2日間あり、4組ずつ・8組が披露し終わった2日目に、次代を担う振り付け家賞1名が決定されます。あと、各日の観客投票で決まるオーディエンス賞が2人。賞金その他はHP参照。

ファイナリストは、新鋪 美佳、岩淵 多喜子、宇都宮 忍・戒田 美由紀・合田 緑・高橋 砂織・得居 幸・三好 絵美、岡田 利規、岡田 智代、黒沢 美香、鈴木 ユキオ、隅地 茉歩の8組13名。
ウチらが見たのは新鋪さんと女の子6人のヤツと、岡田さん2人。

新鋪さんの「るる ざざ」は、最終的に2日目のオーディエンス賞を獲ったんだけども、アタシは割と退屈した。
女の子2人(「ほうほう堂」という155cm!デュオ)でのダンスなんだけども、何か・・・「禁色」とかぶるところが無きにしもあらずで。観たことあるなぁ・・・て。思っちゃったんだよね。これはむしろあまりダンス公演を見ていない弊害か? と思ったりしたんだけど。

岡田 智代さんの「ルビィ」は好き。アタシはこれに票を入れた。
金属製の椅子を片手にしたロングスカートでヒール靴の女性が、でたらめに弧を描きながら舞台上をゆっくり歩く。
ひとしきり歩いて、真ん中に椅子を落ち着けるとその上に立って、そこで流れてきたのが、アバの「Dancing Queen」。身をよじる女性。だんだんと動作が激しくなって、でも何処となくぎこちない身体の揺れ。音楽と微妙に合ってないまま、揺れ続ける。
壊れかけのオルゴール人形みたいな、抑圧されて存分に踊れないみたいな、或いは不自由な身体で思い切り踊ってるみたいな。
うん。良かった。

岡田利規さんの「クーラー」は、会社員とOLがオフィスのクーラーについて喋り合う、ダンスっつーか・・・何つーの? みたいな。お客さんは大受けだった。隣のおばちゃん呼吸 苦しそうだったし。アタシも、最初の「えーっと、今からクーラーっていうのやりまーす」にはウケた。
目新しさはある。演劇もやってる(「チェルフィッチュ」の主宰。こないだ岸田國士賞を獲った)人ならではの発想なのかな。飽きが来るので、もうひとひねり欲しい。
参考までに、以下パンフレットに載ってた台詞。
  女 クーラーが・・・
  男 ええ。
  女 ちょっと寒くて、かなり、ちょっとあり得ないかもしれないんだけど、うちの設定温度、
     オフィスの、二十三度、しかも強風とかいって、なってるじゃないですか、いつも。
  男 ええ。
  女 おかしいよっていうか、クーラーが、だってすごい、え、だっていつも設定が二十三度強風
     って、ちょっとあり得なさすぎかもしれないって思うんですけど、って感じなんですねすごい、
     ちょっと本気でウケるんですけどっていうか、え、でも私とか一応、結構体質が、なんだろ、
     冷え性気味かなっていう。
  男 あ、女性的にはキツいかなちょっと、ってのは、あれはちょっとね、あるかもしれない
     ですよね。
ちなみにウチの職場の設定温度は二十一度だ。フロア広いからってそれはあんまりじゃないか。アタシはいつも温度を上げに行く係です。係っつーか、自分のためだが。クールビズなんて言葉だけだ。
戯曲が面白いらしいので、読んでみようと思う。

女の子6人の「kNewman」は、これが若さなのかなーとか思いながら観てた。秩序立った無秩序。視界の中に全部 収まんないんだけど、そういう勢いみたいのがいいのかな、て。
単純に楽しめた。衣装が可愛かった。


結局 次代を担う振付家賞を獲ったのは1日目にやった隅地 茉歩さんで、昨日のが観たかったねーというのが正直な感想。やはりこういうものは全部 観るのがいいのですな。

ところで審査員の人もコメントしていたが、なかなかどうして方向性というものが見えにくい。
キャリアも年令も問わない、その姿勢はご立派なんだが、あまりに出場者に幅がありすぎなのではなかろうかと。素人ながらに思ってみたり。
来年にどう方向修正してくるか、ちょっと見ものですな。
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by ling-mu.m | 2005-07-11 11:38 | 芝居/舞台