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蜜の味
日曜日、北仲WHITE内のペピンポートにて、ペピン結構設計アトリエ公演「蜜の味」を観劇。
馬車道の整備具合とか夕方の閑散とした雰囲気とかが、なかなか好みで小さく浮かれる。北仲WHITEの建物も素敵。ごちゃごちゃしたナンデモアリ感が、よいね。

慶應大学SFC出身の人々による劇団。慶應系(というものが果たしてあるのかどうかすら分からないが)の芝居を観るのは初めてです。メンバーは卒業して それぞれ社会人やってる、というのもあり、その特色というものが(あるとして)、出てるかどうかは、どうなのかしらん。慶應の他の芝居を観てみたら、分かるのかもしれません。

アトリエ公演のため、完全予約制。キャパちっちゃい。50人・・・は、入れない、かな。どうだろ。
テラスみたいのんが客席用に設えられてて、扇風機が回ってる。ドライアイスも配られました。要は、暑いハコだった、ということ。


舞台は海の近くの田舎の町。人体に悪影響を与える飲み物だというんで、コーラの売買が条例により禁止され、徐々にコーラが姿を消す中で、コーラ屋を営む清子と ときえ姉妹。
二人のもとに、行方不明になっていた兄・安治が突如として帰ってくる。
店の常連の島田兄弟。店にコーラを卸している じゃこ。安治の幼馴染、リリー。
ちっちゃい町の、ちっちゃい店の、ちっちゃい夏の出来事。

とても、分かりやすい話だった。かと言って単純だという訳ではなく、いくつかの小道具が伏線として うまく使われていて、なかなか飽きない。面白く観れたと思う。
物語が発露していた、いくつかのこと。
兄弟愛。嫉妬。夢。現実。逃げるということ。
どれも身近で、身に覚えのある ことごと。切実に感じられること。

しかし、いささか散りばめすぎでは? という感は否めない。
どれも同等に扱われてしまって、メリハリが見えない。どれを大事に受け止めていいのか分からない。
全体的に、直球に見せかけて実は手元で落ちる、といった台詞が多い中で、要旨と思われるものを語るときの それは、とても素直な真っ直ぐで、そのせいか、どうしても軽く、言ってしまえば陳腐に思える。
何でここをストレートで投げちゃう? みたいな、肩透かし。

現実の出来事の合間に挟まる、夢とか妄想とか、そういうシィンの表し方・つなげ方は非常にうまいな、と思ったのだけど。
最初の二十分くらいの印象で、これは小説で読みたい話かもしれない、と思ったのだけど、夢やら妄想やらの、そういう演出はやはり舞台ならではのものだから、そこらへんを もう少し、うまいことやってくれたらなぁ、という物足りなさを感じた。



帰り道、東横線の馬車道駅。改札に降りる前のだだっ広いコンコースに、見渡す限り人がいなくて、自分ひとりきりで、日曜とは言えまだ22時ですけど、と思いながら、妙に楽しくなってしまった。
人のいないところに、行きたいなぁ。
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by ling-mu.m | 2006-08-08 23:33 | 芝居/舞台
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