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ポーの話
b0026230_2182498.jpg好き:★★★★☆

いしいしんじ・著。
発売と同時(五月)に買い、ずっと読むタイミングを逸してましたが、やっとこ読み終わりました。
いしいしんじ、2年振りの新作書き下ろし長編。待ってた。

相変わらずの、厳しくも優しいファンタジィ。
現実のイタさと夢の心地よさを等分に含んだ物語。


困難なくして、幸せは見つけられない。この人の小説には、そういう信念が一貫してあると思う。
ただただ柔らかくて穏やかな世界は許されない。ありえない。
簡単に言ってしまえば、山あり谷ありな人生。
でも、そんな安易な言葉では片付けたくない複雑な造りをしている世界。

超現実。スーパーで、メタ。
あくまでファンタジィを描きながら、そこでは決して終わらせない現実味を帯びている。

ポーはうなぎ女の息子。うなぎ女たちの大事な宝。
泥河で右岸と左岸に区切られた街。川に架かる無数の橋。
500年振りの大雨が、ポーを別の世界へ誘う。

いしいしんじの書く話は悲しくて切ない。
でも何処かで憧れを抱かせる。楽園が描かれている訳では決してないのに。
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by ling-mu.m | 2005-10-12 02:32 | いしいしんじ
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