<< ヤツアタリをヒトリゴチル 隣の芝生は青いってゆう >>
吉原御免状
秋のミーハー祭、第二弾。
渋谷は青山劇場にて、SHINKANSEN☆PRODUCE いのうえ歌舞伎「吉原御免状」を観て来ました。
円形の方は何度か足を運びましたが、青山劇場の方は初。
そして新感線を(プロデュース公演だけども)ナマで観るのも初めてでございます。
「髑髏城の七人」はDVDで観たんですよ、事前学習として。

天保十二年に引き続き、ミーハー祭に相応しい有名人 勢ぞろいの舞台。
堤 真一、松雪 泰子、おひょいさん、梶原 善、京野ことみ、古田 新太、など。アタシが知ってる役者さんはそれぐらいかな。まだまだ勉強不足です。

上質な、大人のためのエンターテイメント。
でしたね、やはり。
派手な音楽、舞台装置、音響、照明、そして殺陣。
映画みたい。
こりゃ異端視されてた筈だわ、と、この目で見て改めて思いました。

歌も踊りもなくて、多分そのせいだと思うんだけど、第一部が終わった時点では飽きて、もう観に来ないかなと思ってました。歌と踊りに、我知らず期待していたのでしょう。天保の影響もあるかな。
でも、第二部でハナシが心揺さぶられる展開になったのもあって、すっかり魅了されて、終わった時には大満足してました。
思うに・・・第二部で梶原 善が活躍したからではなかろうか。
もうねぇ・・・大好きですよ善ちゃん。大好き。かっこいー。
美味しい役どころだった、というのも大きかったのかもしれない。主人公・松永 誠一郎(堤)を助太刀する領主。
平和な日々に安寧したくなくて、いっちょ死に花 咲かかせてやろうかぁ! て、心意気。
かっこいい。かっこいい。

話の筋も、分かりやすくて かつ面白くて、単純なのにきちんと人の心が描かれているところがお見事、と思った。
原作は隆 慶一郎の同名小説。それを中島かずきが脚色する形で、どれほど原作が生かされているか分からないけれど、非常にうまく、心理描写がなされているなと。

(以下フライヤーより引用)
肥後、熊本の奥深い山中、あの剣豪、宮本武蔵に育てられた若武者がいる。
名を松永誠一郎(堤)。亡き師、武蔵の遺言に従い山を下り、江戸最大の遊郭・吉原へと赴くは、時に明暦三年八月十四日。
「ここは極楽だよ、そして地獄かな―――」
謎の老人・幻斎(藤村 俊二)が、謎の言葉で誠一郎を迎えた、その時。
吉原を不穏な殺気が取り巻いた。
次々と襲いかかる秘密組織「裏柳生」の総帥・柳生 義仙(古田)。それに抗し、誠一郎の助太刀を買って出る旗本・水野十郎左衛門(梶原)。
血で血を洗う暗闘の中、戦いの理由を問う誠一郎に、義仙が言う。
「吉原御免状はどこだ?」
将軍家剣術指南役、天下の柳生が何故吉原を襲うのか。義仙が狙う「吉原御免状」とは何か。
吉原誕生に隠された大いなる謎を追ううちに、誠一郎は己自身の出生の秘密を知ることになる―――そして吉原きっての美しき名太夫、勝山(松雪)と高尾(京野)。ふたつの切ない恋心が、誠一郎に寄せる熱い情けの奥底に、揺れるおんなたちの哀しみとは・・・・・・。

ていうストーリィ。
多分 原作も面白い筈。読んでみようと思う。
色々と思うことはあったんだけど引用して打ったら疲れてしまった・・・ので、後日 追記するやも。しないやも。

-----------

眠れないついでに、追記。
おひょいさんは、調子が悪かったのか、4・5回 噛んでました。心なしか具合が悪そうに見えたのだが・・・役作りならいいなぁ。もう結構な年だし、長丁場だし、無理はせんで欲しい。
ご隠居っぷりは見事でした。穏やかな物腰がダンディーで。

古田演じる義仙の、執拗なまでの御免状への執念が、何と言うか、凄く、説得力があった。
何故 彼が御免状を奪おうとしているかと言うと、御免状を出したのは徳川家康。その父を憎み嫌っていた男が、三代将軍・秀忠。御免状奪回は秀忠の願いで、何でかと言えば家康が許したものを幕府公儀にしているのが気に食わないから。そして、吉原が山の民(商人・職人・芸能者など、自由に国を行き来し幕府体制に組み込まれていない者たち)の隠れ蓑としての役割を果していることも、我慢がならない。要は、全て自分の物に、自分の思うがままにしたいという秀忠思いに、秀忠死去した後も尚、義仙は捉えられているのです。
そしてそんな義仙を愚かだと言い、平和に事を収めることを願う、柳生総帥であり義仙の兄である宗冬。
その辺りの心理描写が見事で・・・何とも上手く言えなくて自分の表現力の無さにほとほと困ってしまうんですが。
何て言うか、吉原御免状奪回の理由が、「出来事」ではなく「人の気持ち」であり、それが明確に、弱まることなくしっかりと表されているのが、凄いと思って。
舞台は小説と違って、台詞でしか人の気持ちを表せないじゃないですか(行動とか表情とか、そういうのもあるけど、いわゆるモノローグやト書きが無理、て言う意味で)。
それを、本当に見事に、「見せてる」ことに、感服したのです。
うう、上手く言えん・・・。
義仙の執着心を見せた、それは古田氏の力でもあるのか。

あと、私は強くて格好いい女にめっぽう弱いので、当然のように勝山太夫の死に様には心打たれたのでした。男前だー。
[PR]
by ling-mu.m | 2005-10-05 01:43 | 芝居/舞台
<< ヤツアタリをヒトリゴチル 隣の芝生は青いってゆう >>