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小林一茶
鼻水がとめどない。

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観たものはちゃんと記録! の方向で。
ここのところ当たりが少なかったからテンションも上がらず書く気も無くしてたのだけどね。
今回も寝てしまった。二幕の間ほぼずっと船漕ぎ・・・。
あー(嘆)。チケットだってタダじゃないんだからつまんなくても目ぇかっぴらいて観なさいよ!
まったく、我ながら呆れて悲しくなってしまいます。

新宿にあります紀伊国屋サザンシアターにて、こまつ座の「小林一茶」を。
井上ひさしの作品を観ること、北村有起哉を観ることが目的。あと、劇場も行ってみたい所だった。

取り敢えず思ったことは、こまつ座はもう観に行かない、ということ。
よっぽどの理由が無ければ、きっともう一度 観に行こうとは思わない。二十代の内は。
というのも、これは客層に影響されたせいかもしれないのだけど、とにかくご年配が多い。
歴史も由緒もある劇団だし、なじみのファンとしてずっと観に来ている方々や、仕事ばかり家事ばかりの人生から解放されたんでちょっと芝居でも観に行ってみようかねぇ的な方、色々だとは思うんだけど、とにかくアタシは若すぎて浮いてた。劇場の中で。
で、実際の芝居も観てみて、これは、若いうちにはこれを「いい」とは思えないんじゃないか、それが当然なんじゃないか、という気がしたのですよ。

こういうのも好きよ、て言うのは問題ないと思う。でも、入れあげたら何かちょっとそれは保守が入ってるんじゃないのと言うか、枯れてるんじゃないのと言うか・・・。
この感覚を理解して貰うために説明するのはひどく難しい。
間違った解釈をされそうで、でも今のアタシには何とも言えんのが悔しいのだが・・・。

北村有起哉は、特に光ってることもなく、上手いなぁとも感じさせず、期待はずれな人でした。
「LAST SHOW」との差は、やはり演出の問題でしょうか。
役者が全員 下手くそに見えたのは、おそらく演出のせいではなかろうかと思うのです。
台詞の喋らせ方に違和感を覚えた。そして みんな噛みまくりでした。
ホンのせいなのか今日はみんな揃って調子が悪かったのか。とにかく出来としては駄目駄目だろうと。

井上ひさしの凄さは、残念ながら今回は分からずじまいで。
幸か不幸か今月はもう一本、井上作品が待ってます。「天保十二年のシェイクスピア」。
果たしてシェイクスピア全作を読破していない私に楽しみの半分も分かるのか。不安です。
しかし非常に楽しみだ。

話としては、俳諧師として成り上がりたい小林一茶の半生を劇中劇として語る。何で劇中劇かと言うと、一茶が出入りしていた札差の家から金が盗まれ、一茶が容疑者とされた。されば彼の立場になって考えてみようではないか、という流れ。
北村さんは野心溢れる一茶の役。
この一茶、俳諧で身を立てるためなら女も裏切る友をも出し抜く。相当にあくどい人物として描かれている。
何としてでも有名になってやる! という、果てしないハングリィ精神。
そして非常に格好悪いんだよ。何をはばかることなく俺は有名になりたいんだと叫び、大御所の家に出入りしていれば箔が付くからと泣きつき、その道の行く手を阻む者には容赦なく手を出し。
死にもの狂いに頑張ってる。
そういう姿が新鮮だった。

バイト柄、今の日本の成功者たちが書いた本の表紙を毎日 眺めてる。
色んな手法で成功を手にした人たち。きっとタダでは今の地位にはいない人たち。
中を読んだことはないから、彼らの苦労の程は知らない。
ただ、表紙を飾る彼らのスカした顔と、北村演じる一茶と、どっちがいいかっつったら一茶のが人間らしいなぁと。泥臭くていいなぁと。
汗水たらしてる姿を見ないと、人間の本質って分からないのかもしれない。
必死な一茶の姿には、心打たれるものがあった。収穫はそれだけだけど、でもそれで良かったのかもしれない。

一茶が劇中で「江戸は芸のなる木を植える場所」ということを言ってて(うろ覚え)、どんな芸能も、たとえ上方で生まれたものでも結局 洗練され根付き発展するのは江戸なのだ、て。
日本の中心地は、やはり江戸の頃から変わらないのかねぇと思ってしまったよ。
時代は変わりつつあるとは言え・・・やっぱり地方は、カルチャーの面ではやはり置いてけぼりをくってると思うんだよねぇ。
その構図は悲しいかな、どんっなに通信技術が発達したところで変わらないものという気がする。
それは実はイイコトなのかもしれないけど。芸術家を生むのは東京だけ、てことでは決して無いから。
でも、地方出身者としてはやはり何だかんだ言いたくはなりますよ。ええ。

あと、分別のない大人はこの世で一番 嫌いな生き物だなと改めて思いました。
無駄に長生きしてんじゃねぇよ。
by ling-mu.m | 2005-09-10 01:27 | 芝居/舞台
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