<< ハウルの動く城・大サーカス展/... ipod mini 買った。 >>
まちがいの狂言
世田谷パブリックシアターにて、野村萬斎演出・出演作品「まちがいの狂言」を観る。
シェイクスピアの「まちがいの喜劇」を基に、高橋康也が作。

ある夫婦のもとに生まれた、うりふたつの双子の男の子。同時期に貧しい女のもとに生まれた、父のない双子の男の子。二人は、夫婦の息子の召使として引き取られる。
息子と従者を連れて船旅をしていた最中、嵐に遭い彼らは生き別れになった。
父と上の子と上の従者。母と下の子と下の従者。上の子らは白草の国、下の子らは黒草の国で育つ。
三十年が過ぎ、片割れを捜し求める白草の国の二人が、黒草の国を訪れる。

予想はしてたけど、マダム率高。母娘連れ多。でも意外に一人で来てるっぽい人も割と。
大きすぎず小さすぎず、隅の席でもきちんと舞台が見渡せたし、おそらく三階席からもそう遠くはなさそうだし、いい劇場だなと思いました。シアタートラムのほうもいいなーと思ったけど、円形になってる分、こっちのが異空間な感じで好き。

狂言というものを初めて観ました。少しは勉強してから行った方がいいのかなーと思いながらも結局 何の基礎知識も蓄えずに観に行ったんだけど。
すっごい面白かった。
すっっっっごい、面白かったのよ。これが。
終演後に拍手しないことも多い私なのですが、今回は力の限り手をたたいてきました。大喜び。

台詞は、いい具合に古文混じりで耳に心地いい。ちゃんと理解できます。もっとぎちぎちに歴史的言葉遣いだったらどうしようと思ってたけど、それじゃお客さん来ないもんね。
教科としての古典はどちらかと言えば嫌いでしたが、言葉遣いの端々に古文調が出る人間なので、言葉としては好きなのですな。
大事な台詞が歌(て言っていいのかな? 伸ばしながらゆっくり言うの)になるのも、新鮮。
飽きないのは、声の高低がすごく動くからなのかな、と思いました。

あと、所作がすごく美しい。摺り足しながら半回転して座り込む動作に惚れ惚れしました。
六百年間、美しさを追求してきたのだろうなぁ。
全員 男、というのも特に違和感なく。直面だとヒゲが青々してんだけどね。
子役の子供たちが可愛い。たどたどしいんだけどね。あんな小さいのに伝統芸能に従事してるって、すごいなぁ。本人たちにはプレッシャーとかあるのかね。あるんだろうなぁ。祖父やら父やらが同業者なのだから。

演出の萬斎さん、勿論 出演もされてます。
太郎冠者の役。顔ちっちゃい! 顎ほっそい! どかっこいい。結婚したい。
名前が、双子の息子はどちらも石之介、双子の従者はどちらも太郎冠者(適当もいいところだ・・・)。
石之介も太郎冠者も一人二役。
出ては入り、入っては出て。

芝居としては、シチュエーション・コメディ。そっくりな片割れに間違われながら、あわわあわわと。
話としても非常に面白かった。何より、ハッピィエンド、大団円で締めくくられて、この上なく後味がいい。とてもとても気持ちよく帰って来ました。
時間も非常に短く感じたし(実際 短めなのかな。休憩なしで2時間ぐらい)。

他の狂言を観たことがないのにこんなこと言うのはどうかと思うけど、やはり萬斎さんの演出は素敵なのじゃなかろうかと思う。ホンが優秀ってのもあるかもしらんけど、小学校高学年ぐらいからなら子供でも充分 楽しそうですよ。ええ。
劇場 入ってビックリ、ややこし隊(ていうのがいるんですね、黒い布まとって赤い面をした人達)が席にいっぱい、うろうろしながら客にちょっかい出してる。席を案内したり隣に座ってきたり客の荷物を奪い合ったり。あたしも絡まれた。でも「ややこしや」しか言わないの。ど笑える。
カメラ撮影禁止、ケータイの電源オフのお知らせも、放送だけじゃなくてパフォーマンスしながら。
こういう演出が、いちいち いい。何にでも応用できるものじゃないけど、楽しいからどんどん試みて欲しい。

誰だか(萬斎さん関係)のアフタートークがあって、勉強できるかなと思って残って聞いてたら、萬斎さん登場。嬉しい。
次は狂言の手法を使って是非 悲劇を、という話をされてました。観たい観たい。
蜷川演出の「オイディプス王」の萬斎さんより、こっちのが好きだと思いました。

---------------

追記。
書き忘れがあったので。

こないだ観た「愛の渦」のところでも書き、昨日 観た「砂の上の植物群」でも思ったのだけど・・・みんな、笑いすぎだろう。
何でなんだ。何でそんな何にでも笑いで反応するんだ。て、またしつこく書くけど。
そしてこれは狂言なんだから笑って当然なんじゃないかと言われそうだが。
それでも言いたい。
笑いすぎだ、お前ら。

そこは動作に笑うところじゃなくて言葉の深さを味わうところだろう!
てのが沢山、あって。
あまりに気にしすぎて、途中まで自分が何処で笑えばいいのか分からなくなってた。持ち直したけど。
なんだかなー。なんだかなー。
すごい、違うと思うんだよ。何にでも笑って返してしまうのは。
うまく言えないんだけどさぁ。なんかさぁ!!
違うと思うんだよ。

アンガールズとかヒロシとかうんこみたいな芸人がもてはやされてることに違和感と嫌悪感を覚えるんだけどそれと関係してんのかな。
[PR]
by ling-mu.m | 2005-05-10 00:51 | 芝居/舞台
<< ハウルの動く城・大サーカス展/... ipod mini 買った。 >>