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走れメルス~少女の唇からはダイナマイト!
NODA・MAP第10回公演「走れメルス~少女の唇からはダイナマイト!」のWOWOW放映を鑑賞。野田作品2作目。
このホン自体は、劇団夢の遊眠社時代、1976年に初演されたものだそうな。29年前。

主演は深津絵里・中村勘太郎・小西真奈美・河原雅彦。
今回も野田氏は役者として出演してるのだが、「オイル」に比べてえらくでしゃばってるなぁと感じた。舞台に出ていない時も彼の存在感をすごく感じて、「オイル」に引き続きその奔放さに驚く。元気なおっさんだなぁ、という印象。好きだ。

下着泥棒のスルメ(中村)と彼が慕う少女・芙蓉(深津)がいる世界が「こちら岸」、人気スターのメルス(河原)と彼がゲスト出演した結婚披露宴から共に逃亡した零子(小西)がいる世界が「向こう岸」、ふたつの世界がめまぐるしく転換しながら、やがて世界の違う者たちが出会い、それが最後に小さな悲劇をもたらす。

「こちら岸」と「向こう岸」は密接にリンクしていて、そのことは出演者の多くが双方の世界で役を持っていることでもよく分かる。
野田氏はどちらでも女役を演じていて、それが妙にはまっているから面白い。面白いんだよねこの人。甲高い声できぃきぃわめくのがすごく似合う。不思議な人だ。
「オイル」も今作も、登場人物のテンションがめっぽう高い。コメディー色の強い今作は特に、みんな元気でうるさい。故に、台詞がうまく聞き取れない。でも不快なうるささではないんだ、面白いから。役者さんのうまさというのも、勿論あると思うのだけど。

さほど重いテーマではない。胸を打つ、耳に残る台詞も特には無い。
言葉遊びの面白さが目立つから、そういう方を狙ったんじゃなかろうか。
by ling-mu.m | 2005-04-05 01:45 | 芝居/舞台
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