今月一本目の芝居鑑賞。
渋谷は青山円形劇場にて、ペテカンの「茜色の窓から」を観劇して来ました。 いやー、もう・・・ね。アタシ、特技欄に迷子って書いていいと思う。ていうか書かなきゃ駄目だと思う。そんで回りの方々からフォローして貰わんといかんと思うの。ホントに。 青山円形劇場は、その名の通り舞台が丸い。ぐるっと客席が舞台を囲んでいる、コロッセウムのようなつくりです。すり鉢状。 どんなもんかなーと多少 不安でしたが、意外になんでもなかったです。最初こそ目線の先に他の客がいる違和感と居心地の悪さを感じたけど、すぐ慣れました。集中力はちょっと余分に要るかな。 今回の芝居は、ペテカンという劇団とアルケミストという二人組の歌うたいがコラボレーション・・・という言葉が正しいのかは知らんが、まぁ そんな感じで、だから音が生ピアノと生うた。 これが、よかった。 正直、今回はアルケミストに出会えたことが収穫。とてもとても素敵な歌声を手に入れた。 アルケミスト井尻のピアノで舞台は始まり、長いインストの後、こんや の歌声がそれに乗る(ちなみに、二人用の高い舞台が客席の合間にある)。 つまりはオープニングなのね、と、この時はさして興味を抱かない。こんや の左肘から先がないことにちょっと驚く。 芝居が始まり、暗転の度、井尻のピアノが流れる。芝居中はまだ、わざわざ生でBGMを入れる目的と価値が見出せない。 物語が進む。男女8人の群像劇。12年前、高校生の時に埋めたタイムカプセルを、それを掘り起こす同窓会が開かれる前日に、何処か遠くにやってしまおうと目論み、集まった彼ら。 それぞれが抱える過去(例えば、いじめられてた)と現在(例えば、ひきこもり)を暴いたり暴かなかったりしながらやがて、彼らは委員長だった黒田が何故こんなことを提案したのかを知る。 最後に、委員長・黒田がもの思う風に無言で辺りを見回して去って行く、そこにこんや の歌が乗るのだけど。 その、委員長の気持ちがね。 「茜色の窓から」という、その歌そのものなのですよ。 全てが分かって、敢えて台詞ではなくこんや の歌声でその気持ちが切々と語られた時、そこには真っ白に明るい、あまりにも明瞭で純粋なただひとつの気持ちが、転がっていたのです。 そして、私もそこで初めて、生演奏の意味を理解して。 この物語はアルケミストの歌ありきのもので、彼らの「茜色の窓から」という曲から構想を得たというので、それが当たり前といえば当たり前なのかもしれないけど。 でも、私はとても正直に、彼の歌に感動することができたのです。 あの歌がなければ、この芝居の後味はもっともっと悪いものであったと思う。 各人の持つ思い出や今の生活、そのエピソードが、軽いというか、どうもしっくりこなくて。 それは、委員長の「提案理由」も同じで、好きだった、死んじゃった子の書いた小説が、タイムカプセルを掘り起こすところまでしか書かれてなくて、その先が知りたくて、ていう理由は、納得はできるけど説得力はないよね、と思えて。 種明かしを待ちながら物語を見ているのに、結局そんなんなんだ? ていう期待ハズレで残念な気持ち。もどかしさ。 ここが、どんって当てはまる芝居があったら、それが自分の「好き」になるんだろうな。 しかし、円形の舞台で演じるってどうなんだろう。普通より難しいのかな。 今回の芝居はとても見やすくて、そういう意味では親切だったんじゃなかろうか。 自分の座った位置により見えるモノがまるで違ってくる面白さはいいな、と思った。
by ling-mu.m
| 2005-03-05 23:53
| 芝居/舞台
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