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テロリストのパラソル
自分にしては割と珍しいチョイスの小説を読みました。
読む前の段階では、もちろん そんなことは思いませんでしたが。
結構あちこちでタイトルを目にするけど読んだことなかったな、という理由で手にしましたのは、藤原伊織・著『テロリストのパラソル』。

講談社っぽいなー角川っぽくないなーて思いながら読み進めていましたら、初めは講談社から刊行されていたようで。やっぱりなー。
でも何で角川文庫になってるんだろう。絶版になるようなものじゃなかろうし(江戸川乱歩賞と直木賞をダブル受賞しているし)、譲渡されたんでしょうかね。


ハードボイルドっていうのはこういうのをいうのかしら? 新宿鮫かしら?
読まないわなーこういうテイスト。新鮮でした。

こういう静かな文章は嫌いじゃない。ガチャガチャしているものより、むしろ好きかもしれない。うん。
主人公が、アル中で四十代のおっさんなんだけども、ダンディズムでも渋いーでもなく、完璧にくたびれている、全然ヒーローじゃない人で、きゃーカッコウイイ! とは決してならないんだけども、なのに魅力を感じるのは何でなんだろうね。
そしてそんな しょーもない男に、人々が惹かれていくのが不自然じゃなくて、だからやっぱりこの人には何か捨て置けないものがあるのだなぁ、しかしパッと見はやっぱり分からねぇな、それが何なのか。という不思議。

あー、でも、ハードボイルド(と呼ばれるもの)において、こういう主人公は珍しくないのかしら? と、真保裕一の『ボーダーライン』を思い出した。あれも、結構くたびれたおっさんが不思議にカッコイイ話じゃなかったかしら。

主人公の相棒みたいになる奇妙なやくざも、ウィットに富んでて素敵です。こっちの方が正統派! て感じだな、どちらかと言うと。

物語は割に淡々と進みながら、クライマックスに近づくにつれ息を呑んだり奇声をあげたりする個所も増えてくるという、昔ながらの(?)ミステリー。終わり方は目新しくはないものの、真相は、キッチィなぁ…と思ってしまってまんまとやられる。てー、感じです。

はーもう先が気になって眠られんわぁっていうことはないけれども、読んで損はないクオリティだす。
何でも読んでみるものだな、やはり。


……画像を引っ張ってこようと検索したら、講談社文庫でも普通にまだ手に入るみたいね、コレ?
したら何で違うレーベルから出てんだ? 謎ー。

*

久し振りに伊坂幸太郎作品が文庫発刊されたのが嬉しいが、その割にまだ手に入れていない。
そして古川日出男からちょっと離れてる最近。飽きた訳ではないけれどー。

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by ling-mu.m | 2009-07-02 00:38 | 活字/漫画
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