<< ベルカ、吠えないのか? まだ12月のカレンダーが掛かっ... >>
モダンタイムス
伊坂幸太郎、好きです。
文庫になってから読むのでリアルタイムでは追えてなくて、でも、先日『魔王』を読んでしまったら読むものがなくなってしまった。
『ゴールデンスランバー』文庫化はまだ先だろうし…。
買おうかどうしようかな、と思っていたところ、新刊『モダンタイムス』が『魔王』の続編だということを知り、そっちを買いました。

『魔王』は、読み終えた後も結構 尾を引く作品で、えーえー、何でかな。何でそういう終わり方なのかなっ? て、思わされ続けました。割と苦しい読後感だった。
思えば、それは続編を読ませるのにとても適した終わり方だとも言え、計算だとしたら、凄いというか打算的というか…みたいな、ちょっと歪んだ感想を抱いてしまいますが。


結論から言うと、『モダンタイムス』を読むことによって、『魔王』読後の苦しさ、気持ち悪さが拭えることはありませんでした。

ざくざく読める、という代物ではなく、少しずつ少しずつ読み進めました。
もともと『週刊モーニング』かなんか、漫画雑誌に掲載せれていたものなので、そういう読み方がちょうどいいんじゃないかな、とも思った。

「検索から、監視が始まる」というコピーが、とてもよく作品を表しているな、と思います。
ある言葉(の組み合わせ)を検索したばっかりに、酷い目に遭うことになる主人公とその周辺、真実を知るために危険を冒して動き続ける彼らの、数日間の戦いの物語。
……とでも、言いましょうか。
『魔王』から50年後の世界、今より少しだけ未来の話。

何とも、スッキリとしない、スッキリさせてやるもんか! とでも言いたそうな、終わり方で。
結局、何にも解決しないし、何にも変わらない。
そういう風に見える風景が横たわるだけの結末は、納得しがたい。

何でこんなもの、こんなこと、書いちゃうんだ。
こんな、全部 諦めちゃえ、みたいなこと、書いちゃうんだ。
悔しいなぁ。

大きなものに立ち向かって、作者自身が、結局 勝てなかった、駄目だった、て言ってるみたいに聞こえて、悔しいです。

次回作がどうなるのか、気になる。
この作家の行く末が、気になります。

**********

新ドラマ『銭ゲバ』の第一回を、何とはなしに見てみた。電話しながら、とかだから全部ちゃんと見た訳ではないが。
原作の漫画はだいぶ古いようで、もう30年前とか、そんな。
ドラマ化にあたってどれくらい改訂がなされているのか、原作を読んでいないので分からないけど、未曾有の大不況で派遣切り、社員削減が横行、格差は拡大するばかり…ていう今、共感を得やすい話かもしんない。
企画した人は、時機を見ていたのですかね。だとしたらうまいな、と思います。

しかし、これ舞台は静岡県だそうで、「ずら」て方言つかってるのだけど(山梨の方かと思っていたら静岡でも使う地域があるのですね)、他の微妙なイントネーションも、どうせなら拘ってくれりゃ嬉しいのにな、て、静岡出身者としては思いました。
まぁごく個人的な意見。ていうか気持ち。

**********

『モダンタイムス』読後、今は古川日出男の『ベルカ、吠えないのか?』を読んでます。
『聖家族』を読もうと決めたのだけど、それが古川作品で初めて、ていうのもちょっと危険なんじゃない? と思いまして、単行本が出た当初から気になっていた(何年前だよ)上記の本を、文庫で買いまして。
いやいや、面白い。読みやすいし、通勤電車に乗るのが楽しみな読書。

思えば、古川日出男の対談イベントには二度も参加しているのに、いまだ読んだことがないってどうなんだ。
サイン本も持っているって言うのに…(ていうか、それをまず読めばよかった)。
いしいしんじ氏との対談イベントで、両著者の本を買わなければいけなかったのでした。
そして、そのサイン会の時、いしい氏より古川氏の方がよっぽど気さくで「いい人」だったなぁ…。

b0026230_6162492.jpgb0026230_6171825.jpg
[PR]
by ling-mu.m | 2009-01-17 22:43 | 活字/漫画
<< ベルカ、吠えないのか? まだ12月のカレンダーが掛かっ... >>